星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

湿地の宝石(2)〜ハッチョウトンボとモウセンゴケ

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前回の記事で、岐阜県東濃地方の湿地を紹介しましたが、今回はその湿地で見られる珍しいトンボと植物を紹介します。そのトンボはハッチョウトンボです。写真では分かりにくいかもしれませんが、一円玉くらいの大きさしかない世界最小級のトンボです。真っ赤な眼と体が宝石のルビーのようです。このトンボも湿地を住処にしているので、湿地の減少とともに数を減らしています。

さて、このハッチョウトンボが止まっているのが、モウセンゴケと呼ばれる植物の花の上です。名前に苔がつきますが、苔の仲間ではなく、普通の種子植物です。ただし、下の写真のように、葉が赤く、ネバネバした毛が生えています。このネバネバで小さな虫を捕まえて、栄養を吸収する食虫植物なのです。不思議な植物ですね。

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種子植物の証拠に、下のような綺麗な花を咲かせます。

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白花の他にピンクの花も見かけます。こちらも可憐です。ちなみに、白花はモウセンゴケ、ピンク花はコモウセンゴケ(もしくはトウカイコモウセンゴケ)と種類が違います。葉の形でも区別ができるそうですが、花が咲くとはっきりと区別できます。また、コモウセンゴケの方が少し乾いたところに生えています。

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モウセンゴケも湿地でしか生息できません。湿地の減少の影響を受ける植物です。