昨日の観察散歩で、不思議なハエを見つけたので紹介します。これまでハエ(アブ)とハチは翅の数が違うことで区別していました。ハチ目は昆虫らしく翅が4枚、ハエ目は2枚というふうに。ところが翅が4枚のハエが現れたのです。そのハエを紹介する前に・・
調べているうちにあることを知りました。学研の図鑑にこんなことが書いてありました。「ハエ、アブ、ガガンボ、ブユなどがこのなかまでハエ目の昆虫です。後ろばねが退化して、平均こんというバランスをとるだけのものに変化しているので、見かけ上ははねが2まいしかないのが特ちょうです。」平均こん(棍)???何それ?!早速、過去の写真を探してそれを見つけました。下の写真は、ミスジガガンボですが、翅の付け根に白い丸いものが飛び出ています。新体操で使う棍棒のような形をしていることから、「棍」の字をつけて平均棍というみたいです。
平均棍がどのような役割をしているかですが、Wikipediaには、これを切ったら飛べなくなったと書いてありました。単なる飾りではないみたいです。それに「その振動により飛翔運動の角速度を検出する感覚器であり航空機のジャイロスコープ相当の機能」があるとも書いてありました。難しいけど高機能なことが分かります。本当だとすると、これは単なる退化ではなくて、進化でしょう。
そして昨日見た不思議なハエが下の写真です。透明の翅の下に白い翅がもう一枚あります。それで翅が4枚のハエがいると驚いてしまったのです。
図鑑で調べても分からないので、Googleレンズの力を借りることに。すると、岐阜聖徳学園大学教育学部川上研究室のページに載っていました。ヤドリバエ(寄生バエ)の仲間でCompsoptesis属の1種でした。和名がまだないのですね。
この白い翅が平均棍みたいですが、棍棒状ではないので、今度は役割がよくわかりません。後翅が退化する途中なのか、退化して棍棒状になって後から大きくなったのか。疑問は募るばかりです。昆虫って不思議!