星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

がんばれお父さん!〜ハクセキレイの親子

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マンションのベランダから、ハクセキレイの親子を見かけました。巣立ち直後の幼鳥に親が餌を与えていました。このほっこりとした光景に、気付いたことが二つありました。

一つ目は、親の性別が分かったことです。この親は雄でした。雄の夏羽は、頭から背中にかけて、真っ黒になります。また首の下の黒い前掛けが目立ちます。鳥の世界では雌雄関係なく子育てをしていることを、(ツバメ以外で)初めて見ることができました。

二つ目は、岐阜県でもハクセキレイが繁殖していることを確認できたことです。ハクセキレイは元来東北以北で繁殖し、この辺では冬鳥でした。ところが近年、繁殖地が急速に南下しているそうです。図鑑でも繁殖地について、「現在では関東地方まで普通に繁殖し」(野鳥、山と渓谷社、1994)、「現在は和歌山県が南限」(フィールドガイド日本の野鳥、日本野鳥の会、1996)、「数年で九州まで達した」(野鳥界、信濃毎日新聞社、2016)というふうに書かれています。発行年とともに、繁殖地の南限が南に移動していることも分かります。今では岐阜県で繁殖していても不思議ではありませんが、今回あらためて認識しました。