星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

銀色に集まる赤トンボたち

今週末は雨だったので、ブログに挙げるネタがありませんでした。ですから、少し前のお話になります。

週末散歩では、必ずお弁当を持って行き、銀色のシートを引いて、それを食べています。そこで不思議なことが起こっていました。

私たちがいるにも関わらず、必ずと言っていいほど赤トンボの仲間が、そのシートに止まるのです。下の写真は、マユタテアカネ(上)とコノシメトンボ(下)です。

光っているので、水面と間違っているのかなと思いました。調べると、確かにWikipediaに次のようなことが書いてありました。「人工的な偏光反射面(例えばアスファルト、墓石、自動車、プラスチックシート、油溜まり、窓など)は強い直線偏光の特徴を持つため、しばしば水域と間違えられる」「これらの表面が超常的な光学刺激として作用する誇張された水面のように見える。その結果、トンボ、カゲロウ、トビケラ、その他の水を求める種は、実際の水域よりもこれらの表面上で交尾、着地、群れ形成、産卵を好んで行うようになる。」と。なるほどね。ja.wikipedia.org

 

そして以前見た出来事の意味が何となく分かりました。銀色の手すりに、アキアカネが集まって止まっていたのです。手すりが暖かいのかなと思って、触って見たのですが、逆に冷たかったです。

そして、手すりに産卵行動をする雌まで見てしまいました。

今思うと、これは銀色の手すりが水面に見えているのかなと思います。

 

そんなアキアカネを狙う物がいました。アキアカネの向こう1メートル先に何かがいます。

反対側に回ってみると、ムネアカハラビロカマキリでした。じわじわと間合いを詰めていきます。

でもこの狩りは失敗でした。カマキリが足を滑らせて、突然手すりから落ちたのです。これには笑ってしまいました。

ニッチな水辺の生態系〜メダカハネカクシ、ヒメヒシバッタ

昨日、下の写真のような池の縁を観察していたら、意外な虫たちが現れました。一見、何もいなさそうな場所でも、不思議な生態系がありそうです。

まずはこの虫。大きさは7ミリくらいで、とても小さいです。コマユバチの翅を取った感じです。図鑑を見ても名前は分からず、インターネットでやっとナミフタホシメダカハネカクシと分かりました。ハネカクシというと、前翅が小さく、その中に後翅が細かく折りたたまれて隠れていているという変わり者の虫です。このハネカクシは、前翅の所に黄色い紋があって、お洒落なところもあります。

こちらもメダカハネカクシの仲間だと思いますが、黄色の紋がないので、別の種類かもしれません。(メダカハネカクシ属だけで日本に250種いるそうです)なんと水の上をスイスイ走っていました。Wikipediaには、「尾端から界面活性剤を分泌し、体の前後の表面張力の差を利用して滑るように水面を移動するものがあることが知られている。」と書いてありました。これまたすごい能力です。まだまだ知らない虫がいます。

こちらのサイトで名前が分かりました。

musikure.hateblo.jp

続いて、こちら。ピョーンと飛び跳ねたので、バッタの仲間だと思います。こちらも5ミリぐらいの小ささです。

でもどうして水の中にいるのでしょう?こちらも図鑑ではなかなか分からず、インターネットで調べました。湿地に住むヒシバッタの仲間、例えばヒメヒシバッタではないかと思います。でもあまり詳しい情報は得られませんでした。たぶんトゲヒシバッタと同じように水辺の藻などを食べているのかもしれません。

このような浅い水辺は、意外と他の生き物との干渉が少なく、安全なのかもしれません。また面白い世界を見つけました。

 

【2025.12.6追記】

先週見たヒシバッタをもう一度観察に行きました。

そうすると、翅の長いヒシバッタを見つけました(体長約7mm)。トゲヒシバッタかと思ったのですが、胸部にトゲがないので、ヒメヒシバッタと判断しました。。判断材料は    NPO法人こどもとむしの会の資料です(下のURL)。

https://www.konchukan.net/pdf/hyogo_no_batta/hyogo_no_batta_tetrigidae.pdf

同じ場所にいたこちら(体長約3mm)は、幼生と思います(先週見たのも)。

水辺で生活しているバッタがいるとは思いませんでした。昆虫界は奥が深いです。

 

【2025.12.7追加】

ナミフタホシメダカハネカクシが、水に浮いている写真が撮れました。アメンボやハシリグモが、足を広げて水の上に浮いていますが、このハネカクシ、足を広げなくても完全に水に浮いています。どんな原理なんでしょう。不思議でなりません。

 

冬が来る前に〜キタテハ、キタキチョウ

キタテハが、柿の実に止まっていました。あれっもしかして?いつもセイタカアワダチソウの蜜を吸っていたキタテハですが、それも枯れてしまって、今度は柿の実の汁を吸っているのでは?と思いました。

そっと顔の側に回り込んで、本当に吸っているか確かめてみました。そうすると、ちゃんとストロー(口吻)を柿の実に差し込んでいました。キタテハは成虫で越冬するので、この時期は必死で栄養を蓄えないといけないのでしょうね。

 

一方、同じく成虫越冬するキタキチョウですが、コセンダングサの花に集まっていました。キタキチョウも越冬に備えて栄養が必要ですが、この時期咲いている花は極端に少なくなります。コセンダングサは要注意外来生物ですが、蝶にとっては貴重な蜜源になっているところが不思議です。

 

手品師?〜クスサンの繭

7月に見つけた4個のクスサンの繭「透かし俵」をその後もずっと観察していたのですが、一向に羽化した形跡が見られませんでした。その内、だんだん繭の中の蛹が小さくなってきました。ハチか何かに寄生されて、ちゃんと羽化できなかったのだと気が付きました。クスサンも災難ですね。

 

hoshikakera.hatenablog.jp

 

というのも、今日、ちゃんと羽化した後の繭と蛹を見つけたのです。蛹に大きな亀裂が入っていて、中身がないので白く透けて見えます。

ここであることが不思議になったので、枝ごと家に持って帰りました。繭のどこからあの大きなクスサンが出ていったのか、分からなかったのです。帰って観察したのですが、あったのは矢印の先の小さな穴だけです。しかも固かったです。クスサンはここをすり抜けて出てきたとしか思えません。まるで手品みたいです。

繭を持って帰って飼育すれば分かるのかもしれませんが、寄生バチが出てくる可能性が高いし、いつ羽化するか分からないし、持って帰るのはちょっと・・・

またまた謎が残ってしまいました。

 

【2025-11-16追記】

横に大きな穴が開いて、中には蛹の殻もなくなっている繭を見つけました。誰がこの穴を開けたかは分かりませんが、内部から開けたとしか思えません(不安定な場所にあって、外から突くことは出来ないからです)。どんな生き物が蛹に寄生していたのでしょう。

 

乗っ取り犯〜ムネアカハラビロカマキリとハリガネムシ

秋に川沿いの散歩道を歩くと、カマキリが川に浮いていることがあります。その理由については、後で話すとして、昨日は4匹同じ場所に浮いていました。そして今日、その場所にいたカマキリの不思議な行動を目の当たりにしました。1時間以上にわたる観察記録です。

 

一匹のムネアカハラビロカマキリが川で溺れていました。

【10:31 上陸】 なんとかオギの葉につかまって水から這い上がります。

【10:51 頂上へ】 ゆっくりとオギを登っていき、穂先まで。ゆっくりと翅を乾かしていました。

【11:08 入水】 いきなり飛んで川に入水

【11:10 上陸】 もがきながら岸にたどり着き、またオギを登り始めます

【11:33 頂上へ】 オギの枯れた葉の先端で一休み

【11:35 入水】 再び飛んで、川の真ん中付近に入水。これは絶体絶命!

【11:43 上陸】 川に流されて、最初に上陸した場所に上陸

【11:49 頂上へ】 なんと10:51と同じ場所、1時間たって同じ場所に戻ってきました。エンドレスやん!

この状態がしばらく続き、お腹も減ったので、観察を終了



この1時間にわたる入水と上陸の繰り返し、何のためか、訳が分かりませんよね。実は、寄生しているハリガネムシのせいだと思われます。ハリガネムシは昆虫ではなく、細長い紐のような生き物で、カマキリやバッタに寄生します。そして成熟すると、宿主(カマキリなど)の行動を操作して、川や池に飛び込ませるのです。ハリガネムシはそこで外に飛び出して繁殖します。今日見たカマキリの入水行動は、ハリガネムシによる行動操作と考えられるのですが、カマキリも生き延びようとしているため、何度も上陸したのではないかと思います。ちなみに、この間ハリガネムシの飛び出しは見られませんでした(いつ飛び出すんだろう?)。

 

そんな奇妙な寄生生物ですが、生態系では重要な役割をしていると書いていました。川に昆虫を飛び込ませることで、川魚の餌を供給しているそうです。そう言えば、昨日は、カマキリを食べているカワムツを見ました。ちょっと怖いかも。

 

秋の気配〜アキアカネの産卵

アキアカネの産卵風景という貴重な現場に遭遇しました。下の写真のように、雌も赤くなっていて、単独で飛んでいたら雌雄の区別がつかないですよね。

ところが、少し悲しい事実が。。。アキアカネが産卵していたのは、たまたま雨が降ってできた砂利道の水たまりだったのです。ここで孵化してもヤゴが生きてゆけるとは思えません。近くに湿地もあるのに、どうしてここに?と思ってしまいました。

ここに産卵したのはたまたまで、湿地でも産卵してくれていると嬉しいな。

日本最大のトンボ〜オニヤンマ

ヒメタイコウチの観察を始めてから、湿地帯を歩くようになったのですが、なぜか毎回のようにオニヤンマに会うようになりました。実はこれまでそんなに会っていなかったのに。

図鑑を見ると、生息環境が「樹林のある河川上〜中流域や小川、流れ周辺の湿地など」となっていました。大きなヤンマというとギンヤンマのイメージがあって、大きな池に棲んでいるのかと勘違いしてました。そしてギンヤンマはいつも飛んでいて、止まっているところをあまり見たことがないのですが、オニヤンマは結構木の枝に止まってくれます。

今日見たオニヤンマがこちらです。日本最大種だけあって、格好いい!

上の写真はオスですが、メスはこちら。メスのほうが腹部が太くて、がっしりしている感じです。

湿地でまた観察したい昆虫ができて、楽しみが増えました。

似たものどおしの名前調べは大変〜ヒメアカネ、マユタテアカネ

今日、いつもの湿地でヒメタイコウチの観察をしていたら、目の前にトンボが止まりました。この辺りには、湿地に生息するヒメアカネがいるのですが、よく見ると、眉状斑(顔面にある鼻の穴のような2つの黒い斑点)がありました。眉状斑があるのは近縁で見た目そっくりのマユタテアカネで、ヒメアカネにはなかったような。。。

別の場所で見たマユタテアカネ♀の眉状斑はこれぐらいの大きさです。豚の鼻のように見えます。それに比べると、上のトンボの眉状斑は明らかに小さいです。

そして以前見たヒメアカネ♀はこちらです。やっぱり眉状斑はありません。それでは、今日見たのはどっち???この辺りでマユタテアカネを見たことがないのですが。

 

困ったときに使うChatGPTに写真を見せて名前の聞いてみました。お返事は・・

「結論:『眉』が小さいので迷われたと思いますが、この特徴はマユタテアカネの変異の範囲内で説明できると思います。したがって、この個体は マユタテアカネのメスまたは未成熟個体 と考えるのが自然です。」

でした。丁寧でもっともらしい回答です。ヒメアカネのメスでは?と再質問しても、回答は変わりませんでした。

 

でも納得できず、文一総合出版の図鑑「日本のトンボ」でヒメアカネのページを見ると、メスの特徴に「顔面は黄白色で小さな眉状斑があるか消失している」と書いてありました。ヒメアカネのメスに眉状斑があっても不思議ではなかったのです(オスにはありません)。ということで、私は、今日見たのはヒメアカネ♀ということにしようと思います。そして、生き物の名前調べにChatGPTを使うのは慎重にしようと思いました。

 

おまけで、今日見たヒメタイコウチです。可愛い!!!

 

【2025.9.15追記】

今日も湿地を訪れると、ヒメアカネがいたのですが、今度はオスで小さな眉状斑を持つ個体に会いました。こうなると眉状斑で識別できるとは言えないですね。

オスの場合、はっきりとヒメアカネとマユタテアカネを識別するには、腹部先端を見て、下のように上に反り返っていたらマユタテアカネ

反り返っていなければヒメアカネということになります。これはまあまあはっきりと見分けられます。

一方、メスはと言うと、やはり腹部先端の産卵管をを見て、

こちらはマユタテアカネ

下の写真のように、産卵管が後に少し飛び出ていれば、ヒメアカネとのこと。でもこれは本当によく見ないと分かりません。それぐらい似ている種なんですね。