星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

おおきく なあれ〜ナナフシモドキの脱皮

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小さなナナフシモドキに出会いました。モドキがつきますが、立派なナナフシの仲間です。いつもと違って、踊るように体を震わせています。いつもおとなしく動かないのに。

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しばらく目を離していると、体が奇妙な形に変わっていました。えっ、えっ?顔の部分が前に伸びている〜〜〜。しばらく冷静に考えてみて、これは脱皮ではと気が付きました。体から頭を前にずらして皮を脱いでいるところでは!?

気を取り直して、カメラを動画モードに。下の動画は、4分間の脱皮風景を1分間に縮めています(つまり4倍速)。途中風が吹いて、ピントがずれたりして、見苦しいかもしれませんが、ぜひご覧ください。

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最後の、前肢と体をピンと伸ばすところが、愛嬌があって可愛いです。

なにがすごいって、後肢の抜け殻2本だけで葉にぶら下がって、重力を使って脱皮していくのです。これだけ風が吹いても外れて落ちませんでした。

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 脱皮が終了したら、なんと体の長さが2倍くらいになっていました。そういえば、動画の最後のピンと体を伸ばした瞬間も、体が一瞬で長くなっています。不思議すぎて、昆虫に敬意を表したいぐらいです。抜け殻は記念にもらって帰りました。葉から外すとき、やはり後肢は葉にしっかりとくっついていました。

珍客あらわる(再)〜コミズムシ

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一昨日、コシマゲンゴロウがベランダのボールから飛び立っていったと思ったら、今朝また、メダカの稚魚用のボールに、見たことがない昆虫が泳いでいました。後ろ脚がオールのようになっていて、体型はマツモムシにそっくりなのですが、背泳ぎではなく、普通の姿勢で泳いでいます。図鑑を見てもなかなか名前が分かりませんでした。そこでネット検索の力を借りて、やっとコミズムシだということが分かりました。

家のベランダのボールにはどうして色々な虫がやって来るのでしょう。このコミズムシもそのうち飛び立っていくのでしょうか。また観察が始まると思うと、ちょっと大変だけど、楽しかったりして。

クルミの木の中の生態系〜カメノコテントウ

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オニグルミの木に、一際大きなテントウムシがいました。カメノコテントウです。丸い体の直径は10ミリくらいで、私の人差し指の爪と同じくらいの大きさでした。同じ所にいたナミテントウと似た模様をしていますが、大きさが違うので一目で違うことが分かりました。

図鑑(ヤマケイポケットガイド野山の昆虫)をみると、「クルミハムシの幼虫を食べる益虫」と書かれていました。だからオニグルミの木にいるのですね。

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オニグルミの木をよく観察すると、葉の裏にカメノコテントウの卵がありました。

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そして、幼虫もいました。オレンジと黒のコントラストが、成虫の色に似ています。でも、この細長い幼虫が、どうして成虫になると丸くなるのか、少し不思議です。

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図鑑のとおりカメノコテントウの幼虫がクルミハムシの幼虫を食べていました。カメノコテントウの幼虫は結構動きが速くて、逆にクルミハムシの幼虫は動きが遅いので、クルミハムシはすぐに捕まってしまいました。でも、クルミハムシの幼虫の方が圧倒的に数が多いので、カメノコテントウの餌がなくなることはなさそうです。どちらも飛べないので、クルミの木の中だけで、ひとつの生態系ができているようです。

hoshikakera.hatenablog.jp

珍客あらわる〜コシマゲンゴロウ

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我が家では、ベランダでクロメダカを飼っています。メダカが卵を産むと、白いボールに移して孵化を待ちます。朝、そのボールを除くと、見たことがない虫が泳いでいました。夜の間に飛んできたみたいです。大きさ1センチぐらいで、丸く、横から毛の生えた脚が飛び出ています。脚の形から、ゲンゴロウの仲間かなと思ったのですが、頭の中にあるゲンゴロウのイメージより小さく感じます。図鑑で調べると、コシマゲンゴロウというゲンゴロウの仲間でした。

後ろ足を動かしてちょこまかと泳いでいたと思うと、突然水面にお尻を出してしばらく静止します。息継ぎをするために水面に上がってくるようです。これを繰り返すので、見ていて飽きませんし、可愛いです。

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メダカの鉢で使っていた藻を入れると、それにつかまって休憩するようになりました。昼間は、藻につかまって、お尻を水面に上げたままじっとしています。そして、夜になるとまた活発に動き回ります。どうも夜行性のようです。

もう二晩ここで暮らしているのですが、どこかから飛んできたわけで、またどこかに飛んでいくはずです。ボールの中では飛び立つことができないのでしょうか。それともここが気に入っているのでしょうか。ミジンコも一緒に入れてあるので、お腹がすいたら食べるかな?しばらく様子を見てみようと思います。

 

↓YouTubeにアップした動画です

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【2021.6.15追記】

夜になって動き始めたコシマゲンゴロウが、ボールの縁を登ろうとし始めました。外に出たそうです。でもボールはツルツルしてるので登ることができません。そこで、割り箸を入れてあげました。するとそれを見つけて、登り始めました。水面から出たところで、脚をこすり合わせて準備をしたかと思うと、あっという間に飛んでいきました。またどこかで元気に暮らしてほしいな。

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湿地の宝石(1)〜ヒメヒカゲ

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私の住む岐阜県東濃地方は、日本一の陶器の生産地です。普段使いの食器から茶道具まで様々な陶磁器が作られています。ここが陶器の一大生産地になったのは、良質な陶土が取れるからです。

水を通しにくい陶土層の上に砂礫層があると、そこから水がしみ出し、いつも湿っている状態の湧水湿地が生まれます。湿地は植物が育ちにくい環境なので、背の低い植物しか生えず、一見すると林の中にぽっかりと穴が開いたような空間に見えます。そんな湧水湿地が東濃地方ではいたるところに見られます。

湿地は人間生活には全く役に立たない空間なので、すぐに住宅地やゴルフ場に変えられたり、道路が通ったりします。事実、私がここに住み始めてから30年あまりで、なくなった湿地はいくつもあります。ところが、そこに棲む生きものにとっては貴重な生活空間なのです。

湿地には珍しい植物や昆虫がたくさんいます。珍しいというのは微妙な表現で、湿地では普通に見られる生きものですが、その湿地自体が減ってしまっているので、そこでしか棲めない生きものが見られなくなっているのです。

その代表が、ヒメヒカゲという蝶です。以前からずっと会いたかったのですが、昨日やっと会うことができました。トパーズ色の翅に銀色のスジ、金色で縁取られた漆黒の紋(その中央に銀の点)がまるで宝石のようでした。幼虫が湿地に生える植物を食べるので、成虫も湿地でしか出会えません。人間にとっては役に立たない湿地でも、ヒメヒカゲにとっては貴重な生活の場なのです。

人間がいる限り、湿地は必ず減っていくでしょう。そして、湿地でしか棲めない生きものは減っていくに違いありません。もう少し湿地の大切さを知ってもらいたいのですが。

 

手乗り〇〇〇?〜ダビドサナエ

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川の側を歩いていたら、手にトンボが止まりました。ダビドサナエというサナエトンボの仲間です。羽化したところなのか、しばらくじっとしていました。赤とんぼが突き出した指の先に止まるのは聞いたことがありますが、サナエトンボが手に乗ってくるなんて、きっと滅多にないことでしょう。とっても親近感が湧きました。

一円玉より小さなバッタ〜ヒシバッタ

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大きさが1センチあるかないかの小さなバッタを見つけました。はじめは大きなバッタの幼虫だと思っていました。でも図鑑で調べるとこれで立派な成虫で、ヒシバッタという名前だと分かりました。どうしてヒシが付くかというと、下の写真のように上から見ると菱形をしているからです。小さい体で翅も退化していますが、跳躍力がすごくて、ピョンピョン跳ね回ります。なかなか写真を撮らせてくれませんでした。

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虫除けのため、オニヤンマの模型を作ってみました

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私の住んでいる川の側では、夜になるととんでもないほどの虫(カワゲラ、トビケラ、コバエなど)が窓に集まってきます。薬局で売っている虫除けグッズをぶら下げても効果なし。そこで、ちまたで噂のオニヤンマの模型を作ってみました。実物そっくりの模型も購入できるのですが、高価なこともあり、効果がなかったときのショックが大きいので、自作することにしました。

ネットで自作している人も多いので参考にさせてもらいました。黄色の部分は夜でも目立つように蛍光シートを使い、眼も光を反射する大きなビーズを使いました。出来上がったのが上の写真です。

では、作り方を簡単に紹介します。 

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胸部にはワインのコルク(ウレタンのような柔らかいタイプで長さを半分にします)、腹部には丸い割り箸を使います。割り箸はコルクに刺しやすくするために角を少し削ります。

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コルクを蜻蛉の胴体に似せるために、また羽を接着できるように、カッターで面取りします。下が真っ直ぐに1面、上が斜めに2面です。

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翅は、プラスチックシートを使って、図鑑の実物大写真から写し取りました。翅脈の一部をマジックで書きます。

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組立前の材料一式。ホームセンターで購入した蛍光シート、手芸センターで購入したビーズと9ピン。そして眼を固定するための小さな釘を用意しました。

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胸部と腹部をマジックで黒く塗りつぶし、その上に蛍光シートを、オニヤンマの模様を真似て貼り付けます。眼のビーズは釘を使って固定します。

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翅を接着材で貼り付けて、吊り下げ用の9ピンを差し込んで完成。トンボの写真と比べてみましたが、なかなか上手く出来たんじゃないかな。後はベランダにぶら下げて、効果を見ようと思います。

 【2021.5.23追記】

ベランダにぶら下げて一週間がたったのですが、なんか効果があるような気がします。窓に寄ってくる虫が激減しています。もう少し様子を見てみます。

【2021.6.2追記】

やっぱり効果があるみたいです。窓に寄ってくる虫の数が減りました。半信半疑で作って、ベランダにぶら下げてみたのすが、ある意味驚きです。

【2021.6.12追記】

今日、オニヤンマの模型にヒヨドリがアタックしてきました。本物と間違えて食べようとしたみたいです。鳥もだませたとは、ちょっと自慢できそう。