星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

食欲旺盛なエナガの幼鳥

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久しぶりにエナガの群れに出会いました。その群は、親鳥と5羽くらいの幼鳥の家族でした。幼鳥は巣立ちからしばらくたっていて、元気よく飛び回って餌を探していました。でも、親鳥のようにピンク色の部分がなく、顔が全体的に黒茶色です。また、長い尾が整っていなくてボサボサした感じに見えます。ですから一目で幼鳥であることが分かります(上の写真)。

そのとき、エナガの群れが集まっているのがコナラの木であることに気付きました。また、その葉には、ハマキガという蛾の幼虫の巣(葉を筒状に巻き付けたもの)が沢山ついていました(下の写真)。エナガはここに幼虫がいることを知っていて、それを餌として探していたのでしょう。おそらく親鳥は、幼鳥に「ここに芋虫がいるんだよ」ということを教えていたのだと思います。

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新緑の葉を巻き付ける昆虫たち〜オトシブミとハマキガ

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コナラの木の下に、葉をクルクルと巻いた、小さな茶筒のようなものがたくさん落ちていました。これは、オトシブミという甲虫が作った、幼虫が育つための巣(専門的には揺籃というそう)です。この中に、親が卵を産み、卵から孵った幼虫がこの葉を食べながら大きくなり、蛹になって、最終的に成虫がここから出てきます。昔の手紙が巻物だったことから、落とした文をイメージして、オトシブミという名前になったと思います。

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ところが、最後まで落とさないオトシブミもいます。エゴノキに作られエゴツルクビオトシブミの揺籃です。葉の一部を切らずに器用に残して、枝にぶら下がっています。落としてしまうほうが、不利だと思ってそうしているのでしょう。誰かに食べられてしまうとか。

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一方、葉を全く切らずに、クルクルと巻き付けているだけの巣も見つけました。こちらは、オトシブミではなくて、蛾の仲間であるハマキガの幼虫(芋虫)が巻き付けた巣です。中を覗くと、小さな幼虫がいました。

可愛い顔をした芋虫、意外な昆虫の幼虫でした〜ハバチの仲間

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可愛い顔をした緑色の芋虫を見つけました。丸い顔に黒い目が二つ付いていて、アニメーション(ニャッキ)に出てくる芋虫にそっくりです。
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 その芋虫は、ワラビの葉を食べていました。ワラビが食草の蝶・蛾がいるのかと、図鑑を調べたのですが、なかなか見つかりません。そこでネットで「ワラビ 食草」で検索すると、なんと、ハチ、もっと正確にいうとハバチの仲間でした。ハバチはとても種類が多くて、それだけで図鑑があるほどです。ハバチの幼虫は、種類によって食草が決まっているそうで、確かにワラビを食草とするハバチもいることが分かりました。

芋虫というと、蝶や蛾の幼虫しか思いつきませんが、ハチの幼虫もいることにビックリしました。 

テントウムシに似せている?〜イタドリハムシ、ナガメ、ヨツボシテントウムシダマシ

今日、NHK「昆虫すごいぜ!『春だよ!課外授業はテントウムシ』」を見ていて、テントウムシの種類の多さにビックリしました。さらに、今年たまたま出会った昆虫が、テントウムシに擬態してると知ってまたビックリ。その昆虫が、イタドリハムシ(ハムシの仲間)とナガメ(カメムシの仲間)です。テントウムシは苦くて鳥に嫌われているので、食べられないそうです。そしてそのテントウムシに似る(つまり赤と黒のコントラストを際だたせる)ことによって、鳥に食べられてしまうのを避けているらしいです。生息場所も違うのに、どうしてテントウムシが鳥に嫌われていることが分かったのでしょうか。不思議でなりません。

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イタドリハムシ(ハムシの仲間)

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ナガメ(カメムシの仲間)

【2022.7.10追記】

ヨツボシテントウムシダマシ(甲虫の仲間)

名前にテントウムシが付くほどなので、追記しました。

 

姿形がそっくりで色違いの昆虫(その2)〜ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボ

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ニホンカワトンボ♂

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ニホンカワトンボ♀

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アサヒナカワトンボ♂

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アサヒナカワトンボ♀

同じ場所、同じ時間に2種類の姿形がそっくりなトンボがいました。この2種類のトンボはあまりにも似ているので、DNA解析によって分類され、2006年にやっと名前が決まった曰く付きのトンボです。

ただ、私のいる岐阜県では、翅の色でこの2種類を見分けることができます(他の地域では当てはまらないのですが)。このことは「日本のトンボ(文一総合出版)」という図鑑で知りました。つまり、翅が褐色の色が付いていたらニホンカワトンボ、無色透明であればアサヒナカワトンボです。ただし、ニホンカワトンボには無色透明の翅を持った雌がいるそうなので、要注意です。

その他の見分け方として、↓のトンボ自然史研究所のブログも参考になります。

dranathis.blog.fc2.com

このようにして、見分けたニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの写真が上の4枚です(間違っていたらご指摘ください)。同じ場所にいて、交雑しないのかと不思議になりました。

 

【2021.5.11追記】

ニホンカワトンボのオスは成熟すると、翅(縁紋も)が赤くなり、体に白粉が吹きます。数匹のオスが縄張り争いをしていました。

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ニホンカワトンボ♂

【2022.6.6追記】

ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボのどちらも無色の翅をメスを同時に見ました。さすがに外見だけで見分けるのは難しかったです。どうやって見分けたかは別の記事に書きましたので、ご覧ください。

hoshikakera.hatenablog.jp

 

【2023.4.24追記】

ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボが一緒に群れでいました。

hoshikakera.hatenablog.jp



 

姿形がそっくりで色違いの昆虫(その1)〜ハンミョウとニワハンミョウ

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ハンミョウ

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アリを食べるニワハンミョウ

同じ場所にいて、姿形が同じなのに、色が違って名前も違う昆虫がいます。先日、ハンミョウとニワハンミョウが同じ場所で群れているのを見つけました。姿形、動きなど全く同じです。ただ、色が派手なのと地味なのとで明らかに違います。近づくと1メートルほど前方に飛んで逃げ、また近付くとまた前方に逃げていきます。なかなか写真を撮らせてくれませんでした。

最初見たとき、一緒にいるので、ニワハンミョウをハンミョウの雌かと思ってしまいました(ニワハンミョウを知らなかったので)。鳥のオシドリのイメージが固定観念として焼き付いていたのですね(恥ずかしい)。ハンミョウの雌雄はどちらも派手な色をしています。

生態が同じなら一緒にいても不思議ではないですが、お互いケンカもせず仲良く暮らしているところがいいですね。

サソリのようなお腹を持った昆虫〜ヤマトシリアゲ

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見たことがない昆虫がいるなと思い、写真に撮って拡大してみるとビックリ!腹部がサソリみたいにそり上がっていて、おまけに先端にハサミまでついています。口もゾウみたいに、細長く伸びています。図鑑で調べると、ヤマトシリアゲという昆虫でした。ハエやハチの仲間のように見えますが、シリアゲムシ目という原始的な特徴を持った別の種類とのこと。確かに変な形態をしています。サソリのような腹部は雄同士のケンカのために使い、長く伸びた口は死んだ昆虫の体液を吸うために使うそうです。

世の中にはまだまだ知らない、面白い形態の昆虫がいます。

【2021.5.23追記】

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今日はヤマトシリアゲの雌に会いました。お尻が上がっていません。黒光りする全身と翅がとっても綺麗です。

あまりにも触角が長い昆虫〜クロハネシロヒゲナガ

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写真に写っている昆虫の触角を見てください。体の5倍位の長さがあります。こんなので飛べるのかと思いますが、器用にフワフワと飛んでいました。図鑑では名前が分からず、ネットで「触角が長い」で調べたら、すぐに分かりました。クロハネシロヒゲナガという蛾の仲間でした。「黒(クロ)い翅(ハネ)で白(シロ)い髭(ヒゲ)が長(ナガ)い」という意味で、見たまんまを表現した名前です(覚えやすい!)。オスの方がメスより触角が長くて、写真に写っているのはオスです。どうして触角がこんなに長いのかは分かりませんが、不思議な形態をした昆虫がいるのものですね。

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クロハネといいますが、翅が赤っぽく見える個体もいました。