星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

神秘的な寄生バチ〜キイロトガリヒメバチ

動物の中で最も種の数が多いのが昆虫です。昆虫の中では、甲虫(世界で37万種)、チョウ・ガ(13万7千種)、ハチ(13万種)の順に種数が多いとされています。ですがハチは、似たものが多くて、まだ分類が進んでいません。もしちゃんと分類できたら、ハチは動物の中で種数が多いトップ1、2を争うと言われています。

さらに種数の話を進めると、ハチの種数の半分を占めるのが、一般に寄生バチと呼ばれるヤドリバチ類です。ハチというと、ミツバチ、スズメバチなどが有名で、寄生バチって言われても知りませんよね。私も昆虫の観察をするようになる2年前までは、その存在に全く気付いていませんでした。

寄生バチの種数は、日本で2000種以上です。安価な図鑑もないし、ネットで調べても、名前が分かることはほぼありません。ところが、昨日見かけた寄生バチは、名前が分かりました。体の色が橙色だったからです。触角の先が白いのも特徴的です。キイロトガリヒメバチといいます。橙色なのですが、名前は黄色になっていますね。

このキイロトガリヒメバチ、とても不思議な習性を持っていました。良かったら動画を見て下さい。触角を小刻みに震わせて、さらに回転させるのです。一体何をしているのでしょう?ネットで調べてもよく分からないので想像ですが、卵を産み付ける宿主(多分、芋虫)が葉の裏にいないか、振動を使って探しているのではないでしょうか。寄生バチは、芋虫に細い産卵管を刺して卵を産み付け、孵化した幼虫がその芋虫の体液を吸って成長します。見つけた寄生バチは細い産卵管を持っているので、メスです。だから、芋虫を探しているのだと思いました。もし振動で芋虫を探しているのであれば、ものすごく巧妙です。人間が金属やコンクリートの割れを調べるために行う非破壊検査と同じです。

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(参考)大阪市立 自然史博物館、第43回特別展解説書「ハチまるごと!図鑑」(2012)