腹に黄色い筋があって、胸が赤い意外とカラフルなハチに出会いました。これなら図鑑で見つけられるだろうと思って調べると、キスジセアカカギバラバチだと分かりました。黄色い筋があるから「キスジ」、背中が赤いから「セアカ」、そして「カギバラ」は、腹部の先端がカギ状に曲がっているから。覚えやすい名前ですね。それから図鑑には、「チョウやガなどの幼虫に寄生している寄生バエ、寄生蜂に二重寄生する」(川邊透;昆虫探検図鑑1600)と書いてありました。寄生蜂に二重寄生する蜂?意味が良く分かりません。
そこで、大阪市立自然史博物館の「ハチまるごと!図鑑」で調べてみました。ありました!まず、植物の葉の縁に卵を産みます。(下の写真はその産卵風景かもしれません)これをチョウやガの幼虫が食べます。消化液が刺激となって孵化がおこります。チョウやガの幼虫が「他の寄生バチや寄生バエに寄生される」と、それらの幼虫を食べて成長します。えっ?それってとても確率の低い話じゃないですか!そのままチョウやガの幼虫を食べて育てば良いと思いますが。というわけで、カギバラバチの仲間は、とても沢山の卵をそこら中に産み付けるそうです。数打ちゃ当たる方式ですね。
昆虫をよく調べると、常識では計り知れない生態を持っていることに気づきます。太古から生き延びているのですから、それで理にかなっているのでしょう。常識なんて当てになりませんね。