星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

蜂に似た蜂?〜ハチガタハバチ

今日の週末散歩、とてもお洒落な芋虫に出会ったので、紹介します。その名も「ハチガタハバチ」。「蜂の形をした葉蜂」という不思議な名前です。今日撮った幼虫の写真の前に、去年撮った成虫の写真を先に見てもらいます。どう見ても蜂で、蜂の形をしたとわざわざ言う必要もありません。実は昔々、ハチがこの世に現れたとき、幼虫の食べものが植物の葉で、蝶と同じ芋虫の形をしていました。それをハバチ(葉蜂)と言います。よく知られた進化したハチは、スズメバチのように肉食か、ミツバチのように花蜜・花粉食になります。ハバチはハチの大先輩なのに、ハチとは別の種類みたいに思われている節があります。

さて、ハチガタハバチは、アシナガバチに擬態しています。ハバチの仲間はミツバチのような毒針を持っていません。だから、狩りバチであるアシナガバチに擬態して、毒針を持っているように見せかけているのだと思います。だから「蜂の形をした」という名前が付いたのでしょう。それにしてもご先祖様が、子孫に姿を似せるように進化するなんてちょっと不思議です。

下は別のハバチ、ツマグロコシアカハバチです。多くのハバチは色は違えどこのような姿をしています。上のハチガタハバチが特別なのが分かります。

 

さて、今日見たハチガタハバチの幼虫(芋虫)です。イタドリの葉の上で丸まっていました。白黒の水玉模様がとてもお洒落ですね。普通のハチの幼虫は、巣の中にいて、真っ白で、こんなに細長くはありません。見た目が全く違います。ハバチは、種ごとに細かく食草が違っていて、幼虫がいる植物が分かれば、名前が分かることがあります。これはサルトリイバラなので、ハチガタハバチと分かりました。

こんなに目立つ模様をしていて、どうして鳥に食べられないのでしょうか。どうも丸まって鳥の糞に擬態してるようです。親子とも見事に擬態していますね。