星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

幼虫さん達大集合

ある場所で、虫の観察を始めてから3年目の夏を迎えました。少しずつ名前を覚え、小さな虫にも気付くようになってきました。名前を調べるときに難しいのが、幼虫です。図鑑には主に成虫の写真が載っていて、幼虫はなかなか見つかりません。ネットで調べても、その幼虫にたどり着けないことがしばしばあります。

今回は、3年間の写真を整理して、名前の分かった幼虫の写真を、成虫と併せて投稿します(上側が幼虫、下側が成虫)。

昆虫には、蛹になる完全変態するものと、蛹にならない不完全変態するものがあるのは、皆さんご存じの通りです。完全変態すると、幼虫と成虫でがらりと見た目が変わります。目でいうと、チョウ、ハチ、ハエ、甲虫です。不完全変態する昆虫には、バッタやカマキリのように、見た目があまり変わらず、幼虫には翅がないだけというものと、カメムシ(セミ)やトンボのように、見た目ががらりと変わるものがいます。

 

それでは、まず不完全変態する昆虫で、見た目があまり変わらない、カマキリとバッタから。形は変わりませんが、色が違うものもいます。

オオカマキリ

幼虫のときから、立派なカマキリの形をしています。カメラを向けたら、威嚇なのか飛び移ってきました。

 

ササキリ

長い触覚や体の形は一緒ですが、色が全然違いますね。

 

アシグロツユムシ

こちらも形は変わりませんが、幼虫の色がとても綺麗です。

 

続いてセミを含むカメムシ目の幼虫たちです。幼虫に翅がないのもありますが、見た目が成虫と結構違います。

 

アカマキバサシガメ

これはなかなか名前が分かりませんでした。芋虫の体液を細長い口で吸っていたので、サシガメの仲間だとは思いましたが、成虫と全く色が違うのです。ネットの画像を探し回り、やっと見つけました。前脚がカマキリのような形をしているところが同じでした。

 

アオバハゴロモ

ロウ物質を体にまとう幼虫がたくさんいることに気づきました。成虫は蛾のようにも見えますが、カメムシの仲間です。顔はよく見るとセミに近いかな。幼虫は、自分で白いロウ物質を出して、体全体を綿毛のように見せています。写真では足が見えますが、引っ込めて茎にへばりついていると、虫には見えません。食べられないように擬態しているのでしょうね。

脱皮した直後でしょう。脱皮殻が上にあります。

 

ベッコウハゴロモ

こちらは、お尻からロウ物質を出して、立ててます。これは擬態なのか、威嚇なのか、ちょっとわかりません。成虫はまるで蛾のような形をしていますが、れっきとしたカメムシ目です。同じ不完全変態でも、カマキリやバッタと違って、幼虫と成虫が全く違う形をしています。

 

キボシマルウンカ

カメムシ目がまだまだ続きます。まず成虫を見てください。テントウムシそっくりです。だから甲虫目ではと迷うところですが、これもカメムシなのです。多分、美味しくないテントウムシに擬態しているのだと思います。幼虫には、足に団扇が付いていて、不思議な形をしています。この幼虫の名前を探すのには、結構苦労しました。

 

さて、ここから完全変態する幼虫たちに移ります。

 

カメノコテントウ

テントウムシは甲虫目ですから、完全変態する昆虫です。幼虫は細長くて、結構グロテスクですが、成虫になると丸くなって可愛くなります。テントウムシなら好きという人でも、この幼虫を見ると引くでしょうね。カメノコテントウの幼虫は食欲旺盛で、クルミハムシの幼虫や蛹をむしゃむしゃ食べまくります。その様子はまるで怪獣映画のようです。

 

イチモンジカメノコハムシ

甲虫のなかでも一番の変わり者と思っているのが、このイチモンジカメノコハムシです。まず、成虫の体全体が、透明プラスチックのお椀で覆われたような姿をしています。前翅が透明なのはまだ分かりますが、胸から頭にかけても透明の板が覆い被さっているのです。どうしてこんな形になったのでしょう。計り知れません。

そして、幼虫がまた変です。上に乗っている黒いものは、自分の脱皮殻です。捨てずに尾に付けて、傘のように自分を覆っているのです。自分自身も周りに棘状の突起を持っています。イチモンジカメノコハムシを見る度に、どういう進化をすればこうなるのか、不思議でなりません。

 

クルミマルハバチ

今度はハチ目ハバチ亜目のクルミマルハバチです。名前の通り、幼虫がクルミの葉を食べます。こちらもロウ物質を体にまといます。それもたくさん。ハバチの幼虫は、チョウ目の幼虫にそっくりの芋虫ですが、腹脚(前方の3対の本当の脚以外の後方の脚)が5対以上と多い(チョウ・ガは4対以下)のが特徴です。写真のクルミマルハバチの場合、腹脚は7対ありますね。頭に黒い小さい目が付いているので、とても可愛く見えます。

 

真打ちはチョウ目のガの幼虫、いわゆる芋虫さんです。とびっきりレアなシャチホコガ科の幼虫を紹介します。で、成虫なんですが、探しているのですが、まだ出会えていません。

ムラサキシャチホコ

オニグルミの葉が少し痛んで茶色くなっている状態に擬態しています。成虫も枯れた葉に擬態しているのですが、ぜひ会ってみたいです。

シャチホコガ

これが芋虫?と思うぐらい、足が長いです。またシャチホコの名前のとおり、お尻を反り返らせています。まるで別の昆虫(かエイリアン)に化けているように見えます。アリなのかな。