星のかけら ブログ

岐阜県東濃地方を中心に鳥や虫などを観察しています。私たちのまわりには不思議がいっぱい散らばっています。虫嫌いな人はごめんなさい。たまに可愛い芋虫も出てきます。

渡来昆虫たち〜ラミーカミキリ、ブタクサハムシ、モンクチビルテントウ、アワダチソウグンバイ、ポチャジア・シャントゥンゲンシス

昆虫の世界でも、外来種が、身近に普通に生息していることに気が付きました。そこで最近見た外来種の昆虫を集めてみました。

 

最初はラミーカミキリ。瑠璃色をしていたので、ルリボシカミキリかと思ったのですが、少し模様が違います。でもお洒落な模様ですよ。明治初期に、ラミー(カラムシの仲間)という繊維をとる植物と一緒に大陸から渡ってきたようです。私が見たところには、近くにムクゲの木があり、そこに来ていたようです。幼虫が植栽されたムクゲの茎を食べてしまうので、嫌われることもあるそうです。

 

次からは、最近見つかった渡来昆虫たちです。まずはブタクサハムシ。外来植物のブタクサやオオブタクサを食べる甲虫です。日本では1996年に発見されてから、一気に分布を広げ、今では全国で見られるそうです。ブタクサ、オオブタクサは花粉症の原因植物ですので、それを食べてくれるブタクサハムシは、花粉症の抑制に役立っていることになります。実は、原産地の北米では、ブタクサは食べるけど、オオブタクサは食べないそうです。それが日本にやって来て、オオブタクサを食べるようになったとのこと。下の写真でもオオブタクサの葉を食べています。これも一種の進化といえるのでしょう。

参考:東京農工大学のプレスリリース

https://www.tuat.ac.jp/documents/tuat/outline/disclosure/pressrelease/2015/201601261308081698647559.pdf

 

続いてはモンクチビルテントウ。よく見るテントウムシと違って、細かい毛が沢山生えています。調べてみたら、原産地は台湾など南のほうで「1998年に沖縄に侵入が確認」と書かれていました。こちらはつい最近のことです。もうここ(岐阜県)まで北上してきたということですね。

 

次は、ムネアカハラビロカマキリ。在来のハラビロカマキリにそっくりですが、胸が赤いのが特徴です。原産は中国大陸で、2010年頃初確認されてから、急速に分布を広げています。こちらは侵入経路がほぼ分かっていて、中国から輸入された竹箒に卵の鞘が偶然付いていて、それを公園などの清掃に使ったため、全国に広がったようです。

 

ここから少し変わった昆虫を紹介します。まずカメムシの仲間のアワダチソウグンバイ。面白い形をしていますね。原産は北米で、1999年に兵庫県で初確認され、急速に分布を広げているそうです。外来種だけあって、外来植物のセイタカアワダチソウやオオブタクサなどの汁を吸います。

 

最後は、なんとまだ和名がありません。学名がPochazia shantungensis(ポチャジア・シャントゥンゲンシス)というカメムシの仲間です。2018年ごろから日本で確認されるようになったみたいで、ごく最近です。ですが、私の家の近くにもやってくるので、かなり分布を拡大しているのでしょう。どうやって渡って来たのでしょうか。

実は、在来種のアミガサハゴロモ(下の写真)とそっくりで、2年前から見ていたのですが、最近まで気が付いていませんでした。在来のほうが、色が薄くて少し緑がかっています。目の色も外来種は赤いです。

 

こうやって見ると、明治期に渡来した昆虫もいる一方で、ごく最近に渡来した昆虫も多いことが分かりました。渡来した経路もおそらく様々でしょう。これからも見たことのない外来種が増えていくのでしょうね。