私の週末ごとの観察路には、ツル性植物であるカナムグラがたくさん生えています。以前にも紹介しましたが、カナムグラの実は鳥たちの大好物なので、野鳥観察の必須アイテムです。
今、そのカナムグラに花が咲いていて、セイヨウミツバチが集まっていました。その時は、こんな地味な花でもおししい蜜を出すんだなと思っていました。どんな味のする蜂蜜が取れるんだろうとも。
ところが、昨日、不思議なことに気が付きました。カナムグラには、雄花と雌花がありました。写真の赤い矢印が雄花、黄色い矢印が雌花です。さらに、茎をたどっていくと、雄花の付いている茎には雄花だけが、雌花の付いている茎には雌花しか付いていません。雌雄異株ということになります。
雄花のアップです。大きな葯が垂れ下がっています。
こちらが雌花です。ビールの原料となるホップの形をしていて、ここに鳥たちの大好物となる実ができます。
雌雄異株ということは、カナムグラの花は、虫が花粉を運ぶ虫媒花ではなく、風が花粉を運ぶ風媒花ということになります。そして、虫を呼ぶ蜜を出す必要はなく、花に蜜はないということになります。
どうして蜜のない花にミツバチが集まっていたのでしょう。調べて見ると、どうやら雄花の花粉を集めているようです。ミツバチにとって、蜜は主食、花粉はおかずのようなものらしくて、花粉も大事な食料なのです。だから、花の少ないこの時期、たくさんの花粉を作るカナムグラに集まっていたのでしょう。
まだまだ知らないことが多いです。日々観察ですね。